4月3日にC.W.ニコル氏が亡くなった。
同氏とはJICAのシミエン国立公園(エチオピア)のプロジェクトでご一緒する機会があり、黒姫のご自宅や活動拠点にも何回もお招きいただいた。
国際協力というのは言わずもがな、短期的に実を結ぶことは極めて少なく、やりがいと同じかそれ以上に、苦難を感じる場面が多い。それでも現地の活動を通じて出会う笑顔や変化に後押しされながら半歩ずつ歩を進めるのだが、多くの場合、技術的な側面とは全く次元の違う要因でプロジェクトが危機に陥る。
普段は難しい顔ばかりしている、失礼な言い方だが「曲者」のエチオピアの高官達が、C.W.ニコル氏に会った時の笑顔が忘れられない。日本では、エチオピアで初めての国立公園であり世界遺産であるシミエン国立公園の初代公園長としての同氏のキャリアにスポットが当たることは少ないが、同国高官達の尊敬と畏敬の念が混じったような笑顔が、同氏の残した偉大な足跡を物語る。
果たして自分は40年後、50年後にこんな笑顔と出会えるだろうか。
冥福を祈りたい。
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